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キネマ備忘録

映画「批評」というより思いつきの備忘録です。作品ごとに点数化。

ほえる犬は噛まない(監督:ポンジュノ) 85点

 

今週のお題「映画の夏」

ほえる犬は噛まない [DVD]

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 おもしろい。

狭い人間関係の間に起こるドタバタ劇の見本みたいな映画だ。

話の転がし方、伏線の張り方が見事で、大ヒットするような映画ではない(実際しなかったようだ)けれども、観るとじんわり心に残る。

といっても別に"感動"するというわけではない。そんな作風でもない。

「ふーむ・・・」という感じの心の残り方だ。

それは、韓国社会に根強く残る金権主義的な問題点をコミカルに描いていたり、そこらの犬をアレしてしまうという(ネタばれになりそうで言えない)先進諸国の感覚からいえば??な感覚を抱かせたり、、というような社会的なところではなく、イ・ソンジェ演ずる主人公夫婦のややみじめな関係性と、ペ・ドゥナ演ずる冴えない女の子とその友人との関係性の二重のラインで物語が進行していくので、話に深みが出ているからなのだ。

これは何度もいうようだが、社会的な解釈とか批評とかができるという意味で褒めているのではない。韓国のどこかでまさに起こりうる現実を生々しく描くホームドラマとして良質であり、「見応え」があるといっているのだ。

でも、犬好きは観ない方がいいかもしれない。冒頭がちょっと辛いだろう。